今年の9月25日にうちのアシスタントだったつかじ君が癌のため27歳で亡くなってしまいました。
知ってもらい、思いを馳せてもらえる事が供養になる気がするのでちょっとだけ書いてみる事にします。
彼との関係上ちょっと上から目線で語るかもしれません。
先日、アシスタントだったつかじ君とボクがゲーム実況みたいな事してみようと
録音していた音声がスマホに残っている事を思い出して聞いてみました。
そこには大笑いしながらレトロゲームに興じている彼の声が残っていました。
2011年後半
だぶるじぇいという連載作品の途中から面接を経てつかじ君をうちで雇う事になりました。
最初は未経験だったためか未熟で拙い所がありました。
先輩のスタッフさんから技術を学んでいましたがなかなか上手くなってくれませんでした。
性格は明るく人懐っこい所があり、人にいじられる事が多いキャラで
「いやいやいや」とか「勘弁してくださいよー」とかが口癖でした。
突然連載が終了となってしまい、雇ったばかりで彼を放り出す事になってしまいました。
亜「お父さん、会社をリストラされちゃった、だからもう君を養えない」
つ「まじすか?勘弁してくださいよー」
とか話していました。
しかしその時は運よくすぐ次の作品を始められる事になり、2012年のうりんの連載が開始。
彼はその時から本格的にうちで働き始めました。
やがてベテランスタッフさんがいなくなり状況は悪化するかと思われましたが
彼が1年くらいで成長してくれてのうりん連載中はチーフアシスタントを任せるくらいになってくれました。
そこに至るまではボクも厳しくしましたが彼は辞めずに続けてくれました。
ボクはあんまり教えるとかそういう事ができるタイプではなく
おそらく唯一師弟関係みたいになった相手だと思います。
後半の方は仕上げ作業等は彼一人で全てを務められる程に成長していました。
先輩アシさんが残してくれた技術は少し難解で、彼だけが理解し、引き継いでくれました。
毎月月産50枚、夜中まで一緒に作業したりしました。
その頃には大分仲良くなり、一緒にコミケに行ったり、お台場にガンダムを見に行ったり
オンラインゲームをやったりしていました。
しかしのうりんも突然終了となり、またしても彼を放り出す事になってしまいました。
今度はほとんどうちに就職していた状態だったので、酷な事をしてしまったなと思います。
償いの意味も込めて、自分の次の連載をとるための持ちこみ(作家にとっては就職活動)に彼を誘いました。
これはアシスタントを卒業し、作家として独り立ちするための行動になり
既にうちの職場の手足同然自分となっていた彼を手放す事になるので自分的には痛かったのですが
彼はなかなか決断できないながらも作家になりたいと意思表示をちゃんとしたので後押ししました。
それを機に今後はアシを雇わずに全て一人で作業しようと決め
彼が先輩から引き継いでいた仕上げ作業のノウハウをすべて共有しました。
それから彼と各々行きたい所等、意見を出し合い、方々の出版社を共に回りました。
そしてコミティアで知り合った編集さんと話が進み、読み切りデビューしてそれが連載となりました。
驚くほどあっという間に話が進みました。
もう少し早くから行動していれば単行本まで出せていたかもしれません。
そして連載にとりかかっていた矢先に病気が発覚しました。
そこからは彼がブログで書いた通りです。
お見舞いなどに行っていましたが、急に容態が悪くなり
最後は別れの挨拶などせずに突然いなくなってしまいました。
最後にLINEでガンプラの話をしてオンラインゲームに誘われたのですが
その時は原稿作業が忙しく断ってしまいました。
その時一緒にやろうと言っていればもう少し彼と話せたと思います。
つ「作業の話し相手くらいにならいつでも呼んでください
それくらいなら手伝えますよ。」
亜「了解です」
LINEでのこんな文字のやりとりが
最後の会話になってしまいました。
4年間に渡り漫画作業を手伝ってもらい
関係的に親族の方以外ではボクが最も長く彼と時間を共有したのではないかと思っています。
なので正直、
「おいおい!つかじ!こんなのが最後の会話かよ!なんで呼ばないんだよ!夜中でも遠くても行くよ!」
と言いたくなりました。
そしたらやっぱり
「いやいやいや」とか「勘弁してくださいよー」
とか言うんだと思います。
2016年、彼が連載をとった時
亜「お前の作った仕上げ処理、そっくりできるようになったぞ。もうお前いなくても一人でできるからな」
と言った時、彼はちょっとだけ寂しそうに、でも漫画家になれて嬉しそうにしていました。
彼がうちで作ってくれた技術はボクの漫画の中に生きています。
知ってもらい、思いを馳せてもらえる事が供養になる気がするのでちょっとだけ書いてみる事にします。
彼との関係上ちょっと上から目線で語るかもしれません。
先日、アシスタントだったつかじ君とボクがゲーム実況みたいな事してみようと
録音していた音声がスマホに残っている事を思い出して聞いてみました。
そこには大笑いしながらレトロゲームに興じている彼の声が残っていました。
2011年後半
だぶるじぇいという連載作品の途中から面接を経てつかじ君をうちで雇う事になりました。
最初は未経験だったためか未熟で拙い所がありました。
先輩のスタッフさんから技術を学んでいましたがなかなか上手くなってくれませんでした。
性格は明るく人懐っこい所があり、人にいじられる事が多いキャラで
「いやいやいや」とか「勘弁してくださいよー」とかが口癖でした。
突然連載が終了となってしまい、雇ったばかりで彼を放り出す事になってしまいました。
亜「お父さん、会社をリストラされちゃった、だからもう君を養えない」
つ「まじすか?勘弁してくださいよー」
とか話していました。
しかしその時は運よくすぐ次の作品を始められる事になり、2012年のうりんの連載が開始。
彼はその時から本格的にうちで働き始めました。
やがてベテランスタッフさんがいなくなり状況は悪化するかと思われましたが
彼が1年くらいで成長してくれてのうりん連載中はチーフアシスタントを任せるくらいになってくれました。
そこに至るまではボクも厳しくしましたが彼は辞めずに続けてくれました。
ボクはあんまり教えるとかそういう事ができるタイプではなく
おそらく唯一師弟関係みたいになった相手だと思います。
後半の方は仕上げ作業等は彼一人で全てを務められる程に成長していました。
先輩アシさんが残してくれた技術は少し難解で、彼だけが理解し、引き継いでくれました。
毎月月産50枚、夜中まで一緒に作業したりしました。
その頃には大分仲良くなり、一緒にコミケに行ったり、お台場にガンダムを見に行ったり
オンラインゲームをやったりしていました。
しかしのうりんも突然終了となり、またしても彼を放り出す事になってしまいました。
今度はほとんどうちに就職していた状態だったので、酷な事をしてしまったなと思います。
償いの意味も込めて、自分の次の連載をとるための持ちこみ(作家にとっては就職活動)に彼を誘いました。
これはアシスタントを卒業し、作家として独り立ちするための行動になり
既にうちの職場の手足同然自分となっていた彼を手放す事になるので自分的には痛かったのですが
彼はなかなか決断できないながらも作家になりたいと意思表示をちゃんとしたので後押ししました。
それを機に今後はアシを雇わずに全て一人で作業しようと決め
彼が先輩から引き継いでいた仕上げ作業のノウハウをすべて共有しました。
それから彼と各々行きたい所等、意見を出し合い、方々の出版社を共に回りました。
そしてコミティアで知り合った編集さんと話が進み、読み切りデビューしてそれが連載となりました。
驚くほどあっという間に話が進みました。
もう少し早くから行動していれば単行本まで出せていたかもしれません。
そして連載にとりかかっていた矢先に病気が発覚しました。
そこからは彼がブログで書いた通りです。
お見舞いなどに行っていましたが、急に容態が悪くなり
最後は別れの挨拶などせずに突然いなくなってしまいました。
最後にLINEでガンプラの話をしてオンラインゲームに誘われたのですが
その時は原稿作業が忙しく断ってしまいました。
その時一緒にやろうと言っていればもう少し彼と話せたと思います。
つ「作業の話し相手くらいにならいつでも呼んでください
それくらいなら手伝えますよ。」
亜「了解です」
LINEでのこんな文字のやりとりが
最後の会話になってしまいました。
4年間に渡り漫画作業を手伝ってもらい
関係的に親族の方以外ではボクが最も長く彼と時間を共有したのではないかと思っています。
なので正直、
「おいおい!つかじ!こんなのが最後の会話かよ!なんで呼ばないんだよ!夜中でも遠くても行くよ!」
と言いたくなりました。
そしたらやっぱり
「いやいやいや」とか「勘弁してくださいよー」
とか言うんだと思います。
2016年、彼が連載をとった時
亜「お前の作った仕上げ処理、そっくりできるようになったぞ。もうお前いなくても一人でできるからな」
と言った時、彼はちょっとだけ寂しそうに、でも漫画家になれて嬉しそうにしていました。
彼がうちで作ってくれた技術はボクの漫画の中に生きています。